みりんⅡ

前回、本みりんは、飲むことができるといいましたよね。

これについてですが、江戸期には「本みりん」は、甘味のある酒として女性やお酒の苦手な人に好まれていたようです。

また、みりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたものを関西では「柳蔭(やなぎかけ)」といい関東では「本直し(ほんなおし)」「直し」と呼び、冷用酒として飲んでいたとのことです。

この「柳蔭」「直し」は、夏の暑気払いとして井戸で冷やし高級品として扱われていたことが上方落語の「青菜」に、隠居の家で仕事を終えた植木屋が、隠居から「精がでますなぁ」と、労をねぎらわれ、冷たい「やなぎかけ」「なおし」をだしてもらうという行があるのですよ。

ということで、「みりん」は、調味料というよりは飲用酒としての方が先だったようです。

その後(江戸時代の後期)、鰻のタレやそばつゆに使われだしたようですが、みりんは高級品で一般家庭で使われるようになったのは、昭和30年代になってからだそうです。