豚汁あれこれ

昨日の豚汁の続きです。

 

昔、味噌味で猪鍋や鹿鍋が食べられていたことから、豚肉を味噌汁に使うことは抵抗がなかったようです。

では、なぜに豚肉か広まったかといいますと、これは諸説あるようです。

 

明治時代に肉食が解禁されたときには、まだ豚肉より牛肉の方が一般的だったのですが、日露戦争が始まり、兵士の食糧として牛肉が重用され、庶民の間で牛肉が不足し、その代用が豚肉となったともいわれています。

また、薩摩汁が豚汁とよく似ていることから、豚汁の元は、薩摩汁ではないかとも・・・

では、薩摩汁とはどういうものかといいますと、鹿児島(薩摩)の郷土料理で、闘鶏で負けた鶏をその場で調理したのがはじまりで、骨付きのままぶつ切りにした鶏肉を味噌で煮込んだもので、江戸時代に琉球(沖縄)から豚がはいってくるようになると豚肉と鶏肉とが併用されてきたとのことです。

ですので、薩摩汁の具材は、豚肉・鶏ぶつ切り肉・大根・人参・油揚げ・ゴボウ・ネギなどに薩摩芋で、豚汁の具材はといいますと、豚肉・大根・人参・ゴボウ・ネギ・里芋など・・・ということで、薩摩汁と豚汁の違いは、肉と芋の違いだけなのです。

そして、豚肉と色々な野菜と味噌の組み合わせの美味しいこの汁物「豚汁」は、大正時代に一般家庭で食されるようになったとのことです。